もののけ姫に出てくるキャラクターの中でも『乙事主』は、かなりボス感満載なキャラクターでした。
そんな乙事主は映画の終盤でタタリ神になってしまいますが、なぜタタリ神になってしまったのでしょうか?
そこで今回は、
- 乙事主はなぜタタリ神になったのか?
- タタリ神の正体とは?
について考察していこうと思います。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
乙事主はなぜタタリ神になったのか?
「おぉ…!足の腫れと赤みも取れて熱もない。これで儂は帰れるぞ!迎えを寄越せ!!」
— 院畜のアマンダラ・カマンダラ (@admiralmuta) July 9, 2023
「乙事主様、駄目!!まだWBC10,000以上よ点滴を続けて!!それに入れない五右衛門風呂の家に帰ってもまた蜂窩織炎を繰り返すだけだわ!!」 pic.twitter.com/IjtVkuRVsh
乙事主はサンと共にシシ神の元へ向かっている途中にタタリ神になってしまいました。
タタリ神になると通った場所は一瞬で枯れてしまい、周囲に呪いを振りまいていきます。
サンはタタリ神になろうとしている乙事主を救おうとしますが、タタリに巻き込まれてしまうシーンは恐ろしく思えました。
怒りでタタリ神に
もうすこしやられてたらタタリ神になってましたね、危ないw pic.twitter.com/bVFnM5bK7n
— -釈-🕊️ (@shaku_koekoe) July 17, 2023
乙事主は人間との戦いによって負傷し、仲間のイノシシたちもことごとく殺されていきます。
瀕死の状態ながら必死にシシ神の元へ向かますが、
仲間たちの毛皮を被った人間たちに囲まれてしまい、タタリ神になってしまうのです。
「なぜ仲間たちの毛皮を被った人間たちに囲まれてタタリ神に?」という疑問が起こりますが、乙事主はイノシシたちの中でも神格化されたものすごい存在。
少し触れるだけでなんでもわかってしまうのです。
乙事主の身体に毛皮を被った人間が少し触れただけで、乙事主はものすごい苦しそうな雄叫びをあげました。
仲間のイノシシたちが殺されたという悲痛な思いと人間たちへの怒りがタタリ神になってしまった理由です。
しかし、実は乙事主は完全にタタリ神に支配されたわけではありませんでした。
乙事主がタタリ神になった時にサンが触れていますが、サンは呪いを受けていません。
完全にタタリ神になる前にシシ神に命を吸い取られています。
死への恐怖もタタリ神に
#映画好き人生が確定した瞬間
— cat-222 (@y3au12kio8zu) June 1, 2023
初の映画館での映画がもののけ姫で、1時間くらい父と並んで眠すぎて冒頭ウトウトしてたらタタリ神が岩壁を突き破って出て来た音と衝撃で目覚めた時、映画好き人生が始まった… pic.twitter.com/YXg1Uem8cK
乙事主は仲間たちを無残に殺された怒りでタタリ神になりましたが、
人間に殺されるという恐怖心もタタリ神になった理由のひとつです。
乙事主は動物たちの中でも別格の存在ですし、恨んでいた人間に殺されるのは乙事主にとって一番の屈辱だったのかもしれません。
一方モロは死への覚悟があり、死を受け入れていました。
石火を受けたものの、モロは自分の意志と強い心を見失うことがなく、タタリ神になることはなかったのです。
昨今の日本は長寿社会となり「生への執着」という言葉も耳にする機会があります。
モロはタタリ神になった乙事主に対して「言葉まで忘れたか」と言っていましたが、「生への執着」が過ぎてタタリ神となり、誇り高き鎮西の乙事主だということを忘れていたことが切ないと思いました。
シシ神が現れてハッとした表情を浮かべた乙事主ですが、自分が誇り高き鎮西の乙事主ということを思い出し、完全なタタリ神にならずに済んだのかなとも考察できます。
タタリ神の正体とは?
#もののけ姫
— ふらんすパァ〜ン@ニチアサLOVER😎“涼芝長希“ (@kawaiiyo_senri) August 13, 2021
ここで冒頭のタタリ神の正体が判明します。
ナゴの神です。 pic.twitter.com/5wkBGN22Cl
タタリ神になると恐ろしい姿に変貌し、我を忘れてしまいます。
乙事主もナゴの守も名のある主ですが、自我をなくして暴走していましたね。
そんな誇り高き主たちがなってしまったタタリ神の正体とは一体何なのでしょうか?
タタリ神は荒ぶる神
アシタカ「止まれェ!」
— Kunihiro_Ogata (@Gekkou_Mashu) July 18, 2023
タタリ神「分かった。帰るわ」#金ロー
#名作をいきなり終了させる pic.twitter.com/Vofz0zArqZ
タタリ神の正体は、
古き神が怒りや憎しみを爆発させ、山や森に漂っている邪気を取り込んでいき荒ぶる神に変貌していくものです。
日本では古くから「祟り神」が信じられていますが、もののけ姫の「タタリ神」もほぼ同じ様です。
元々ある土地を守っていた主だったにもかかわらず、人間への憎しみから悪い神様に変わってしまうのは悲しく思えました。
人間の世界でも、有名な日本三大怨霊と呼ばれる「菅原道真・平将門・崇徳天皇」は、非業の死を遂げたことで怨霊になっています。
やはり恨み・憎しみを抱いたまま亡くなるのは良くないのでしょうね。
負の感情に打ち勝つ強い心が大切
アシタカみたいに正直で真っ直ぐな人間でありたいしサンみたいな純粋で強い心を持った人と出会いたい。もののけ姫大好きだわ pic.twitter.com/2u8CmX6RG5
— yuya tagawa (@1993_1122) June 16, 2016
もののけ姫を見ると、「人間への憎しみ」「人間同士の醜い争い」などマイナスな要素を多く感じます。
作品の時代設定は室町時代ですが、現代にも通じる課題ばかりなので、今を生きる私たちは「もののけ姫」から感じることはたくさんありますよね。
負の感情は現代社会に蔓延しているので、負の感情に打ち勝つ強い心を持つことが大切なのかもしれません。
恨みや憎しみという感情から解き放たれて、少しでも自分を誇りに思い人生を終えられればと感じました。
もののけ姫のタタリ神は、そういった大切なことを示してくれているのだろうと考察できるのではないでしょうか。
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まとめ
もののけ姫 宮崎駿監督・脚本・原作
— たつぼう (@junklandZ) March 9, 2023
室町時代。タタリ神の呪いを解くため旅立った少年アシタカは、人間でありながら神々の側に居る「もののけ姫」と呼ばれる少女サンと出会う。。説明不要でしょう。スタッフやキャストが煮えたぎるように能力を発揮した傑作。一人で映画は出来ない。海外ではも一つ pic.twitter.com/lSTDmETQ7G
乙事主はなぜタタリ神になったのか、タタリ神の正体について考察してきました。
結論とすると、
- 仲間たちが殺された悲痛な思いと人間への憎しみからタタリ神になってしまった
- 人間に殺されるという恐怖心もタタリ神になる理由のひとつ
- タタリ神は荒ぶる神で、怒りや憎しみを爆発させて様々な邪気を取り込んで変貌していく
- 負の感情に打ち勝つ強い心が大切
となります。
大人になってもののけ姫を見ると、子供の頃わからなかった難しい部分が理解できるようになります。
タタリ神は迷信などではなく、現代を生きる私たちも目をそらしてはいけないのではないでしょうか。