もののけ姫に登場するエボシについて、「最強の女」というイメージを持つ方は多いでしょう。
強いリーダーシップでタタラ場を率い、サンとの戦いでは戦闘能力も高いことがわかりました。
そんなエボシはなぜシシ神を狙ったのか詳しい理由が気になりますね。
そこで今回は、
- エボシがシシ神を狙った理由
- エボシの過去
について考察していこうと思います。
ネタバレを含みますのでお気をつけ下さい。
エボシの目的とシシ神を狙った理由
『もののけ姫』シシ神のモデルと謎に迫るhttps://t.co/jLaCRGXvwypic.twitter.com/djtAS38Hr8
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) March 25, 2023
エボシはタタラ場が危険な目に合っているにも関わらず、シシ神殺しを続行しました。
そこまでしてエボシはなぜシシ神を狙うのでしょう。
理由①タタラ場を守りたい
もののけ姫のタタラ場 完成! pic.twitter.com/B6ge0K3bDy
— 時雨 (@yzna_yo) July 13, 2014
エボシは立派なタタラ場を作り、弱き者たちに仕事を与えて立派な集落を築いています。
タタラ場とは砂鉄から鉄を取り出すための場所で、いわば製鉄所とも言え、莫大な利益を生み出すことが想像できますよね。
また、エボシは一般社会で迫害を受けていた病人たちや売られた娘たちを受け入れていました。
そんなエボシにとって大切な場所だったタタラ場を守り、さらに砂鉄が取れる場所を広げていくにはシシ神が守る森を潰さなければならなかったのです。
エボシはとっても気の強い女性ですが、とっても優しい人でもあります。
強いリーダーは、時に鬼になれる心構えを持っていなければならないのかもしれません。
理由②師匠連との約束
『もののけ姫』のタタラ場は防御一辺倒なんですよね、対山犬でも対侍でも。遠征で戦力になるのがエボシとゴンザと石火矢衆四十名。牛飼ら男衆は基本素人。女衆は石火矢で防衛戦できるかどうか。これでは「打って出る」のは難しい。周辺の村を襲う(多分やってる、森林資源や川をめぐって)のが限界。 pic.twitter.com/G3qq9k8Jc6
— @ぷりめ (@prime46502218) May 4, 2021
エボシはタタラ場を作る際に「師匠連」から石火矢衆を借りていました。
師匠連は天皇の支持のもとに動き、表向きは僧侶、裏では武器・戦術を売り物にしている戦闘集団です。
石火矢衆を借りる際、師匠連との約束が「シシ神退治」だったのでした。
シシ神退治は誰もが恐れてやりたがらないことなので、みんなエボシに押し付けたのです。
エボシは約束通りシシ神退治を実行するので、有言実行な点は正に理想のリーダーなのではないでしょうか。
シシ神退治に同行していたジコ坊はあわよくば精神がすごいので、エボシにシシ神退治をさせ、なおかつタタラ場を奪おうとする狡猾さ。
エボシはシシ神退治を成功させて、師匠連やジコ坊たちのような信用できない人物たちと二度と関わりたくなかったのではないでしょうか。
理由③不老不死の力
ジコ坊は、師匠連という謎の組織の一員で、そこの司令を受けて、不老不死の力があるとされるシシ神の首を狙っています。
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僧侶でありながら、「天朝さまの書きつけ」を掲げ、石火矢衆や唐傘連といった部隊を動かす総指揮官ともいえます。#もののけ姫 pic.twitter.com/lTOXhAtpWx
シシ神の首には不老不死の力があり、シシ神の血には病を治す力があると言われています。
師匠連との約束を守り、シシ神の首をジコ坊たちに渡しました。
しかし、エボシにはタタラ場で病に苦しむ人たちに、シシ神の血を飲ませて病気を治してあげたいという思いもあったのではと考察できます。
エボシの過去
今、子供が「もののけ姫」観てるんだけど、エボシ御前は芯が通っていて格好良いよね
— みどりのニンジャ (@green_ninja_22) July 15, 2023
この作品の登場人物の中で断トツに好き pic.twitter.com/T5E4wVbePZ
映画の中ではエボシの過去は語られていませんでしたが、「もののけ姫はこうして生まれた」という作品の中で宮崎駿監督が説明しています。
エボシは人身売買された過去があった
エボシ御前は人身売買で海外に売られ、倭寇の頭目の妻となり、頭目を自ら殺害して石火矢などの明の兵器を持ち帰ったという過去があります。#もののけ姫 pic.twitter.com/2j1FzaKZT4
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) October 26, 2018
エボシは中国に人身売買された過去があり、その後、倭寇の首領の妻となりました。
倭寇(わこう)とは、一般的には13世紀から16世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸の沿岸部や一部内陸、及び東アジア諸地域において活動した日本の海賊
Wikipedia
元々強いカリスマ性を持っていたエボシなので、倭寇の中で頭角を現し、最後は夫である倭寇の首領を殺害します。
そして奪った金品と一緒に、当時の中国(明)で最新の武器だった石火矢を日本に持ち込んだのだそうです。
エボシの立場を想像すると、もし自分だったら売られた時点で諦めてしまうかもと想像してしまいました。
なかなかエボシの様に成り上がっていける人間は稀なのではないでしょうか。
弱者が安心して暮らせる場所を作りたい
okadadaさんのDJ中ブースの前に集まるメスたち、アシタカが来て興奮するタタラ場の女たちと一緒😇💕 #アガマリ #mogra pic.twitter.com/qmABFLxlJJ
— ちかりりす (@chikaririsu) March 20, 2017
エボシは自身が売られた経験から、売られた娘たちを引き取ってきてタタラ場に迎えます。
村の女たちは『ここでは男がえばらないし、お腹いっぱい食べられる』と言っていました。
もののけ姫の時代背景は人の命が現在と比べ物にならないほど軽く、女性に対する扱いも想像できないほど酷かったはずです。
そんな時代に女性たちが明るく暮らしていたタタラ場は、
エボシが作りたかった弱い立場の女性や病人たちが安心して暮らせる場所だったのではないでしょうか。
しかし、シシ神退治後にシシ神が暴走し、エボシはタタラ場と右腕を失います。
サンとアシタカがシシ神に首を返したことで、シシ神は収まりました。
そうして生き残った村人たちにエボシは『みなはじめからやり直しだ。ここをいい村にしよう』と伝えています。
エボシは次こそは争いとは無縁の本当に理想の村を作っていくのではないかなと感じました。
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まとめ
(タタラ場の女たち)
— 茶吉@休日は多分つぶやく( ˇωˇ)ノ (@takenaka1102) July 4, 2014
こっちは生まれた時から
ずーっと無礼だい べー!!
金曜ロードSHOW!|夏はジブリ!
~第1弾『もののけ姫』~放送中!https://t.co/BDHXAhRVKV #kinro #夏はジブリ pic.twitter.com/JgCGeZATW6
エボシがシシ神を狙った理由やエボシの過去について考察してきました。
結論とすると、
- エボシは弱者が安心して暮らせるタタラ場を守りたかった
- 石火矢衆を借りる際、師匠連にシシ神退治をすると約束した
- シシ神の血には病を治す力があり、病気の者たちに飲ませようと考えていた
- エボシには人身売買された過去があり、弱者が安心して暮らせる場所を作りたかった
という考察ができました。
エボシについて深く知ると、真のリーダーだなと感じます。
森を切り崩そうとしたり、シシ神を狙ったりしていたのでサンやもののけ達には嫌われていたエボシですが、弱き者たちを守ろうとする優しさに感動してしまいました。