ジブリ作品は様々なメッセージが込められていますが、「風の谷のナウシカ」も鑑賞すると深く考えさせられる内容です。
オープニングを見るだけで、何やら恐ろしく思ってしまった方も多かったかもしれませんね。
そこで今回は、
- 「風の谷のナウシカ」のオープニングの壁画/タペストリーの意味
- 「風の谷のナウシカ」のオープニングの壁画/タペストリーの絵柄
- 「風の谷のナウシカ」のオープニングの壁画/タペストリーが怖い
について解説していきたいと思います。
ネタバレを含みますのでお気をつけください。
「風の谷のナウシカ」のオープニングの壁画/タペストリーはどんな意味?
早くリモールドしたい
— コーネリア (@mani_audio) September 12, 2018
ナウシカの壁画イメージで作ろうってこれフライン○ガー○… pic.twitter.com/KierGeHRNL
「風の谷のナウシカ」のオープニングには、多くの意味が隠されています。
意識してオープニングを観てみると、作品の内容が深く理解できるかもしれません。
宮崎駿監督はナウシカのオープニングについて言及していませんが、
バイユーのタペストリーを参考にしたのではないか
と言われています。
バイユーのタペストリーとは、
バイユーのタペストリー(仏: Tapisserie de Bayeux)は、1066年のノルマンディー公ギヨーム2世(後のウィリアム征服王)によるイングランド征服(ノルマン・コンクエスト)の物語を、亜麻で作った薄布(リネン)に刺繍によって描いた刺繍画である。
wikipedia
ノルマンディー公ギョーム2世は、戦争の経過をバイユーのタペストリーで後世に残しました。
しかし、このタペストリーは最後の部分が欠落してしまっていて、結末を見ることはできません。
タペストリーには、不吉な「火の星」が現れて人々を怯えさせたことなども描かれています。
話をナウシカに戻しますが、ナウシカの世界では人間の文明が滅ぼされたことにより、文明が後退していることが読み取れます。
宮崎駿監督は、
ナウシカの荒廃した世界が、バイユーのタペストリーと同時代の文明に戻ってしまったという意味を込めて壁画やタペストリーを使ったオープニングを作った
のではないかと考えます。
壁画/タペストリーはどんな絵柄?
「風の谷のナウシカ」のオープニングの壁画やタペストリーはどんな絵柄だったのでしょうか。
何個か抜粋して、どのような内容かを解説していきます。
天翔る船
ナウシカのタペストリーとかにも出てくるけど旧人類が星々を巨大な宇宙船で行き来してたとかエモすぎて言葉が出なくなった pic.twitter.com/XOztpJ6ItG
— Anzu. (@_Anzu5656_) December 8, 2019
人間は天まで届くような船を作り、星々(宇宙)へ渡ることができるようになったという部分です。
文明が進んでいたことがとてもよくわかりますよね。
下にビルのような絵が見えますが、かなり高い建物なのがわかります。
オープニングの絵コンテには、「天まで届く建物」と書き込まれていたそうです。
まさに現代の高層ビルのようで、高度な技術が用いられていた世界ということがわかります。
新たなる世界
そういえば、あの天使はナウシカのタペストリーの元になったとか
— 庭師みげる (@Miguel0881) January 8, 2020
On your markはナウシカの前日譚だとか pic.twitter.com/dYlTRwHG28
女神が現れ、世界を救ってくれるということを意味しています。
この女神こそがナウシカ
なのです。
オープニングは、文明が滅ぼされた暗い歴史を描いていますが、天使(ナウシカ)が現れて明るい兆しが射し込んでいることがわかりますね。
オープニングの壁画/タペストリーが怖い!
「風の谷のナウシカ」のオープニングは怖い部分があります。
何個か抜粋して、内容を解説していきます。
巨神兵の製造
ナウシカのオープニングにある過去を伝えるタペストリー、この巨神兵が作られてる工程が怖くて好き pic.twitter.com/60J81xvdLj
— 青信号@ニコ超30日 (@aosingou_v) December 17, 2021
人間が人のようなものを作っている過程が描かれていて、とても恐ろしいですよね。
明らかに人間たちより大きく、人型をした「兵器」なのがわかります。
世界の荒廃が始まる大きな戦争が始まる前なのをひしひしと感じます。
恐ろしい戦争
【アニメてにをは!基礎講座その3~立体的なひらべったさ】
— アニメてにをは@石曽根正勝 (@animeteniwoha) June 5, 2022
【25】『ナウシカ』のオープニング。絵巻物のような・タペストリーのような。「ひらべったい」ですよね!わざとひらべったい画面から、『ナウシカ』は始まっています。 pic.twitter.com/kjfqayg4QP
巨神兵が火を吹き、高層ビルを焼き尽くしている場面。
ビルから人々が落ちていていっていて、絵の下には骸骨のようなものが埋まっていますね。
このタペストリーは
巨神兵による死の世界が始まった
ことを伝えています。
巨神兵の絵柄は南米などにある壁画のようにも見え、「キャラクターとして見たらカラフルで意外に可愛いのでは?」と思ってしまいます。
しかし、内容を考察していくと、ただただ恐ろしい世界です。
まとめ
「風の谷のナウシカ」のオープニングの壁画やタペストリーについて解説してきました。
結論とすると、
- オープニングのタペストリーは、文明が滅ぼされたことにより時代が後退していったことを意味している
- オープニングでは、人間が星々(宇宙)へ渡るほどの文明を持っていたことや女神(ナウシカ)が世界を救う兆しが描かれていいる
- オープニングでは、巨神兵の製造や戦争で死の世界が広がっていく恐ろしい内容も描かれている
ということが考察できました。
「風の谷のナウシカ」は、オープニングを観るだけでも恐ろしい歴史が描かれていることがわかりました。
「現代に生きる私たちにも通じる部分があるのでは?」と深く考えさせられるオープニングですね。