ジブリ映画『紅の豚』の見どころのひとつと言えば、1930年代という時代を象徴するものや言葉ではないでしょうか?
ポルコとカーチスの決戦で、機銃が使えなくなった2人は拳銃を打ち合う事態に。
その時カーチスは、『ハイヨーシルバー』と言っていました。
そこで今回は、
- カーチスが言った『ハイヨーシルバー』の意味と元ネタは?
- ポルコが言った『フォルゴーレ』って何?
について解説していきたいと思います。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
『紅の豚』カーチスが言った『ハイヨーシルバー』の意味と元ネタは?
ミスターカーチス、無惨!#紅の豚 pic.twitter.com/qXFpvwzdgA
— @かずず (@iceman369_k) November 2, 2018
空中戦の最中、カーチスが言った『ハイヨーシルバー』というセリフ。
言葉の意味はわからなくとも、言葉自体は知っているという方は多いのではないでしょうか?
それでは、『ハイヨーシルバー』の意味と元ネタを解説していこうと思います。
ローン・レンジャーの掛け声だった!
#ローン・レンジャー
— GOGH (@WideWestWeb) March 12, 2023
最初の画像が実在のバス・リーブス(右)とグラント・ジョンソン(左)
映画のローン・レンジャーとトント、 順に
「ローン・レンジャー」2013
「ローン・レンジャー」1981
「西部の王者 ローン・レンジャー」1956- TV#BassReeves #GrantJohnson#LoneRanger #Tonto pic.twitter.com/Iid3KkYfrr
カーチスが言った『ハイヨーシルバー』は、
1932年にアメリカで放送が始まったラジオドラマ『ローン・レンジャー』の主人公が使う掛け声が元ネタ
だと思われます。
ローン・レンジャーは西部劇を題材としており、主人公のローン・レンジャーが愛馬シルバーに『Hi-yo! Silver!』と掛け声をかけるのです。
しかし、『ハイ・ヨー・シルバー』はどんな意味なのか気になりますよね。
ローン・レンジャーが愛馬にかける言葉なので、
訳すと『さぁ!気合入れて行くぜ!』という意味
になります。
カーチスが空中戦の最中に使いましたが、ピッタリな場面だったのではないでしょうか?
『ハイヨーシルバー』が登場する作品
住宅ローン・レンジャー#名作のタイトルに2文字足して微妙な感じにする pic.twitter.com/c2uxIr47Tc
— さおちゃん¹³ (@Pirates_Saochan) October 21, 2018
『ハイヨーシルバー』は、アメリカでは広く浸透した言葉なので、色々な作品でセリフとして使われています。
近年ですと、
2013年公開のディズニー映画『ローン・レンジャー』に登場するセリフ『Hi yo silver! Don’t ever do that again!』
が、記憶に新しい人もいるかもしれませんね。
また、『紅の豚』同様に1930~1940年代が舞台の作品だと、ふとした瞬間に『Hi-yo! Silver!』という言葉が出てくることがあります。
2001年に製作されたHBOドラマシリーズ『バンド・オブ・ブラザーズ』は、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を題材にしたドラマ。
アメリカ軍の兵士たちが訓練しているシーンで『Hi-yo! Silver!』と言っていました。
様々な作品で使われる『ハイヨーシルバー』なので、今後も耳にする機会は多いかもしれませんね。
『紅の豚』ポルコが言った『フォルゴーレ』って何?
今日の一時間モデリングのテーマは「エンジン」
— hidamabu (@hidamabuCG) September 7, 2023
紅の豚に登場するフォレゴーレを作成しました
#深夜のモデリング60分一本勝負 pic.twitter.com/qQAzci0EN5
ポルコは愛機サボイアをカーチスとの戦闘で大破させてしまいます。
再び戦うためにサボイヤの残骸を持って馴染みのピッコロ社を訪れたポルコは、ピッコロ社の社長にあるエンジンを見せられ、『こりゃ、フォルゴーレじゃねーか!』と言いました。
フォルゴーレとは一体何なのでしょうか?
フォルゴーレはエンジン名?
今日の金曜ロードショーは紅の豚だそうな
— 社畜の人 (@jyomeiman) January 14, 2022
ピッコロ親父が本当に楽しそうにエンジンの試運転を行うシーンが分野は違えど同じメカニックとして最高にクレイジーだと思うし同時に最高に好き pic.twitter.com/qXYP8g89QZ
ピッコロ社の社長は自慢げにあるエンジンをポルコに披露します。
映画の中での説明は、『1927年のシュナイダー・カップでこいつを付けたイタリア艇はカーチスに負けたんだ』と言っていました。
そのイタリア艇が付けていたのが『フォルゴーレ』という名のエンジンです。
しかし、エンジンには『フォルゴーレ』とは書いておらず、『GHIBLI』(ジブリ)と書いてありました。
スタジオジブリの遊び心が感じられますね。
実は、
『紅の豚』に出てくるフォルゴーレは架空のエンジン名で、第二次世界大戦中にイタリア空軍で愛用された戦闘機『マッキMC202.』の愛称が『フォルゴーレ』
とのことです。
イタリア語で『Folgore』の意味は、雷光や稲妻なので戦闘機らしいかっこいい愛称だと思いました!
ポルコの愛機サボイア
『紅の豚』のサボイアって実在する機体ではないんですけど、これをジブリパークのために作って展示したらメチャクチャ話題になると思う。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) November 5, 2022
月に1回くらい、ジブリパークの上空を飛ばしちゃったりして🛩️やってくれないかな……笑 pic.twitter.com/9H8oi2To3O
ポルコの飛行艇は、
『サボイアS.21試作戦闘飛行艇』という名前で実際に存在したもののように感じますが、架空の飛行艇です。
真っ赤な機体がおしゃれにイタリアを感じますし、とてもお洒落だなと思いました。
機体のデザインは、宮崎駿監督が小学生の頃に写真で見た飛行艇『マッキM.33』がモデルとなっています。
ちなみに、サボイアという航空機会社がイタリアで実在していて、1920年代に爆撃機などを製造していました。
『紅の豚』は飛行機ファンにはたまらない機体も登場するでしょうし、まるで実在するかのようなポルコの飛行艇の素晴らしさに注目して見るのもいいかもしれませんね。
まとめ
水上機や飛行艇というワードにピンとこない様子の同僚に「下半分が船になってましてね、水から離陸できたり云々」と説明しても状況変わらず(おそらくこういう人がほとんど)。ふと思い出して「紅の豚です!」と言うと理解度MAXに達したので、やはりジブリは偉大。#ジブリ公式作品静止画#紅の豚 pic.twitter.com/cB4qpexyxZ
— Akira Uekawa (@flyingnikon) May 11, 2022
カーチスが言った『ハイヨーシルバー』の意味や元ネタ、『フォルゴーレ』は何なのか解説してきました。
結論とすると、
- 『ハイヨーシルバー』はアメリカのラジオドラマ『ローン・レンジャー』の掛け声
- 『ハイヨーシルバー』の意味は『さぁ!気合入れて行くぜ!』
- 『フォルゴーレ』は架空のエンジン名
- イタリア空軍の戦闘機『マッキM202.』の愛称が『フォルゴーレ』だった
ということでした。
1930年代は世界恐慌の影響で世界的に苦しい時期でしたが、古き良き時代というところも伝わってきますよね。
カーチスの『ハイヨーシルバー』やポルコの愛機『サボイア』のエンジン音などに注目して、『紅の豚』を楽しんでみてはいかがでしょうか?