名作と言える漫画やアニメには、似通ってしまう部分がどうしても出てしまいますが、一概にパクリと言えません。
大人気漫画「進撃の巨人」は2021年に完結していますが、アニメ化もされており、根強い人気を誇っています。
風の谷のナウシカの巨神兵を彷彿とさせる進撃の巨人もパクリと言われる所以があるのでしょうか。
そこで今回は、
- 進撃の巨人はナウシカに似ていてパクリ?
- 進撃の巨人はナウシカをオマージュしてる?
- 進撃の巨人の地ならしは巨神兵や王蟲に似てる?
ということを中心に考察していきたいと思います。
ネタバレを含みますのでお気を付けください。
進撃の巨人はナウシカに似ていてパクリ?
泣いた。公開は生まれる少し前。まさか自分も大きな劇場でナウシカを観られるときが来るとは。
— ごせんぞ (@gosen_zo) July 7, 2020
これを当時初めて観た方々の衝撃がなければ、30余年に渡る影響、スタジオジブリもEVAも進撃の巨人もこの世に存在しなかったのだろう。 pic.twitter.com/1agW3g83EZ
「風の谷のナウシカ」と「進撃の巨人」には同じ巨人が登場することから、後者は「ナウシカをパクってる?」などの意見もあるようです。
そこでナウシカと進撃の巨人の似ている部分をまとめてみました。
- 溶けている巨神兵と溶けているロッド巨人
- 巨大な蟲や腐海に侵される人間社会と巨人に侵攻される城壁社会
- 腐海を調査するユパ様と城外調査に繰り出す調査団
探してみるとそれなりに似ているかもと思う部分があります。
しかし、上記のような部分だけでは一概にパクってるとは言えませんよね。
進撃の巨人では巨人が出現した理由について、
一部の人間が「ある契約」により、自由に巨人化できる方法を見つけたから。
その巨人化できる方法は、高度な技術の賜物であり、人類の暴走。
という設定になっているため、ナウシカにも似ている部分があるように思います。
進撃の巨人は全34巻という長さで、ストーリーが進むにつれて話もどんどん広がっていくので、すべてが似ているというわけではありません。
進撃の巨人の作者・諌山創さんは、ナウシカのタペストリーに影響を受けたと明かしているそうなので、少なからず巨神兵を参考にしたということはあるかもしれません。
しかし、
パクったというほど物語は酷似しているわけではなく、それぞれ別の作品である
と感じました。
進撃の巨人はナウシカをオマージュしてる?
Netflix《進撃の巨人》The Final Season完結編(前編)鑑賞
— tearra. (@tearra58) March 4, 2023
劇場で観れるクオリティ
ここまで戦争について考えさせられるからこそ世界中で視聴されるんだと思う。
巨人とは人類の憎しみ憎悪が具現化したモノ(象徴)なんだね
たぶん風の谷のナウシカのオマージュシーンがあった
後編が待ちきれないね pic.twitter.com/L1y49yutqf
進撃の巨人について批評家の渡邊大輔さん、映画ライターの杉本穂高さん、漫画ライターの倉田雅弘さんは座談会を開催し、作品の魅力を語っていました。
物語の前半部分は巨人=津波や放射能というような2011年の震災を非常に思わせる設定が目を引きます。ところが一転して後半、壁の外の秘密や物語の世界観が明かされていく局面になると、今度は2010年代後半の私たちの社会で話題になった排外主義やポピュリズム、歴史修正主義、反出生主義や安楽死の問題などと結びつくテーマやモチーフがどんどん出てくる。
realsound.jp
現代社会の様々な問題を取り入れて物語を構成していくことは、風の谷のナウシカも同じでした。
近年ヒットした作品は、社会問題をモチーフにして作り込まれたものが多いように感じ、そういったことがヒットの秘密なのかもしれません。
そういったことから考察してみると、
進撃の巨人は、風の谷のナウシカをオマージュしているというよりも、社会問題を取り入れていくことによってシンクロした部分があった
のではないでしょうか?
どちらも作者の方々が、深く、綿密に物語を構成していったことがわかります。
進撃の巨人の地ならしは巨神兵や王蟲に似てる?
進撃の巨人の「地鳴らし」を見る度に風の谷のナウシカの「火の七日間」が頭によぎる pic.twitter.com/vRuShNUfXS
— れいんず (@Reins_o1z7) March 9, 2023
進撃の巨人の地ならしは、巨神兵の火の七日間や王蟲が押し寄せる場面が思い出されます。
ネット上では、地ならしは巨神兵の火の七日間や王蟲が大群で押し寄せるシーンから着想を得たのではと言われていますが、
地ならしはむしろ北欧神話から強い影響を受けている可能性があるかもしれません。
北欧神話では、いくつかの種族の巨人が登場し、強大な力を持つ大自然の精霊たちなのだそうです。
地ならし以外の多くの部分で、「進撃の巨人は北欧神話をオマージュしているのでは?」と言われているので、そこから着想を得たのかもしれません。
巨神兵の火の七日間、王蟲の大群、地ならしはどれも人間にはどうすることもできないような強大な力ということがわかります。
作品の中で、「混沌とした世界の絶望」を表すには、大群で押し寄せる表現を用いるべきなのかもしれません。
地ならしは巨神兵や王蟲より強い?
「風の谷のナウシカ」
— Granicoph (@granicoph) November 11, 2020
火の七日間カット、完成しました!
圧倒的な超高度文明の終焉と絶望を感じてもらえたらと思います!
よろしくお願いします!#sketchfab #nausicaa #火の七日間 #Ghibli #ジブリ #ナウシカ #巨神兵
↓のリンクでぐりぐり見渡せます。VR対応済。https://t.co/GovxJHT3Lf pic.twitter.com/8BmSvisGAJ
進撃の巨人の地ならしは、巨神兵や王蟲よりも強いのでしょうか?
地ならしはあれだけの数の巨人が大群で行進するので、ものすごい高温になりそうですし、全てを破壊していきますね。
王蟲の大群も同じく全てを破壊していくのでものすごいことになりそうです。
では巨神兵ですが、世界の全てを焼き尽くした火の七日間をやってのけました。
全てを焼き尽くす巨神兵なので、あくまで個人的意見ですが、もし完全な巨神兵が何体もいたら最強なのではと思ってしまいます。
まとめ
進撃の巨人がナウシカのパクリなのかを考察してきました。
結論として、
- 進撃の巨人はナウシカに少なからず影響を受けているが、パクリと言えるほど似ていない
- 進撃の巨人もナウシカも社会問題をモチーフにしているので、物語がシンクロする部分がある
- 地ならしは巨神兵や王蟲を思い起こさせるが、北欧神話の影響も受けている可能性が高い
ということがわかりました。
ナウシカも進撃の巨人も、社会問題を盛り込んでいっているので、偶然にも似ていると部分があったようですね。
どちらの作品も、自分たちの生きる世界から目を逸らしてはいけないと強く思わせてくれるのではないでしょうか。